今日から導入できる!経理担当者の残業を減らす5ステップ
経理担当者の残業を減らす5ステップ
ステップ1:現在の仕事をすべてリストアップする
ステップ2:リストアップした業務を整理・分類する
ステップ3:コストをかけずに実行可能な作業をまとめる
ステップ4:コストをかければ実行可能な作業の見積もりを取る
ステップ5:実行に移す
経理担当の皆さん、こんなお悩みをお持ちではありませんか?
経理業務改善のヒアリングで、経理担当者の皆さんに現状をお伺いすると、みなさん異口同音に「とにかく、仕事量が多い!」と仰られます。
具体的な内容としては、以下のようなコメントがありました。
- 個々の業務はそれほど負担ではないが、とにかく色んな種類の仕事を次から次へと覚えなければならない
- 慢性的に人材が足りていないため、一人あたりの物理的な仕事量が多い
- 営業やその他の従業員にルールや期日を徹底してもらえないため、イレギュラー処理で余計な仕事が増える
- 大量の業務をひとりでこなしているので、確認不足によるミスが発生しやすい
経理業務を担当した事がある方なら、一つぐらいは「分かる!」というコメントがあったのではないでしょうか?
まとめると、【イレギュラー対応も含め、色んな種類の仕事をこなさなければいけないのに、慢性的に人材が足りず、ミスも発生しやすい】という経理業務の問題点が浮かび上がってきます。
経理以外の従業員は、「自分の担当業務の成果の最大化を図るため、余計な細かい仕事は誰かにやってもらいたい。」と言う大義名分のもと、日々の細かい業務を経理担当者に丸投げしている、というのは中小企業ではありがちな状況だと言えます。
しかし、これが経理業務の非効率化を招き、結果的に経理担当者の負担を増大させる一因となっているのです。
この状況を改善し、経理担当者の残業を減らすためのステップを一緒に考えていきたいと思います。
経理担当者の残業を減らす5ステップ
ステップ1:現在の仕事をすべてリストアップする
日々の業務をすべて書き出してみて下さい。経理業務担当者の業務量を減らすためにまずやるべきことは、現在の仕事をすべてリストアップする事です。
リスト作成時のポイント
→ 日次・月次・年次のタイムラインに沿ってリストアップすると、整理分類がしやすくなります。
現状をリストアップするだけでも大仕事でしょうけれども、まずは自分がどれだけの仕事を行っているのかを正確に把握していく事が業務負担軽減の第一歩だと思って頑張ってやってみて下さい。
ステップ2:リストアップした業務を整理・分類する
ステップ1でリストアップした業務を、以下のルールで整理・分類します。
業務は、以下の4項目で整理・分類します
【なくす】やらなくても支障がない業務
【減らす】作業頻度を減らせる業務
【まとめる】重複処理が発生している業務
【変える】電子化・外注化できる業務
【なくす】やらなくても支障がない業務
業務リストの中から、やらなくても支障がない業務を探して分類します。
- 具体的な業務例:請求書などの帳票類を紙で発行し、郵送している
この場合は、『請求書を紙ベースで郵送する』という業務をなくして、『請求書をPDFデータでメール送信する』という方法に代替可能です。
言うまでもありませんが、紙ベースでの業務処理は様々な面で無駄な時間やコストが掛かります。
請求書1つ取ってみても【請求書を作成する】→【印刷する】→【印鑑を押す】→【送付状を添えて封筒に入れる】→【宛名を書く】→【切手を貼る】→【郵便局に行って発送する】と、なかなか無駄な時間のかかる作業だという事が良く分かります。
SDGsに取り組む企業が増えてきている昨今では、「紙じゃなくてPDFデータで送ってもらっても良いのにな。」と思っている取引先も増えてきている可能性が考えられますので、一度、全取引先に『紙か電子データか、どちらが良いか』を確認して、要望に応じて使い分ける、という事に取り組んでみても良いかも知れません。
参考資料
持続可能な開発目標SDGsエス・ディー・ジーズとは(引用元:外務省)
【減らす】作業頻度を減らせる業務
業務リストの中から、作業頻度を減らせる業務を探して分類します。
- 具体的な業務例:毎日、請求書などの紙の帳票類を郵便局に送りに行っている
この場合、郵便局に行く回数を2日に1回に減らす事が考えられます。発生の都度、処理を行っているけれど、月に1回まとめて処理した方が無駄がない業務は探せば意外と見つかるはずです。
【まとめる】重複処理が発生している業務
業務リストの中から、重複処理が発生している業務を探して分類します。
- 具体的な業務例:従業員がそれぞれにエクセルに入力した経費を、経理担当者が経理システムに入力しなおしている
この場合、従業員が直接入力できるシステムを導入する事で重複作業をなくすことができます。
【変える】電子化・外注化できる業務
業務リストの中から、外注化できる業務を探して分類します。
- 具体的な業務例:毎日の記帳業務や、給与計算業務
日々の記帳業務や給与計算は、経理代行業者に安価でやってもらえる作業の代表格です。外注化するかどうかは追って考えるとして、まずは「どの業務なら外注化できるか?」という視点で業務を分類してみて下さい。
ステップ3:コストをかけずに実行可能な作業をまとめる
ステップ2で分類した業務の中から、すぐに実行可能な業務を選んで、更にその業務を分かりやすく整理します。
具体例としては、以下のような業務が挙げられます。
【減らす】郵便局に行く回数を毎日から週2回に減らす(月間20回→8回)
【なくす】紙の給与明細をやめて、電子データをメールで送る(月間50件程度)
【なくす】紙の請求書をやめて、電子データをメールで送る(月間100件程度)
【なくす】毎日銀行に行くのをやめて、オンラインバンキングで管理する(月間20回→0回)
ステップ4:コストをかければ実行可能な作業の見積もりを取る
ステップ2で分類した業務の中から、コストがかかる業務については見積もりを取ります。
具体例としては、以下のような業務が挙げられます。
見積もり例:
【変える】給与計算を外注化する(月間50名/見積額は1名あたり1,650円/月~)
【まとめる】経費精算は、経費精算システムを導入して各自入力する(月間300件程度 /見積額は33,000円~ )
【変える】記帳業務を外注化する(月間300件程度/見積額は33,000円~)
ステップ5:実行に移す
ここまでできたら、あとは実行に移すだけです。まずは着手しやすそうな業務から進めてみて下さい。
システム導入や外注など、コストが必要な業務についてはしっかりと見積もりを取った上で社内で提案して、導入の実現のために働き掛けてみて下さい。その業務を適切に実行できるのは、実際の業務にあたっている経理業務担当者だけです。
社内の理解が得られない場合は?
日々の経理業務の無駄を減らし、合理化を図る事によって得られるメリットは、単に経理担当者の負担軽減だけではありません。
例えばこれまでは、社長をはじめ経営陣がリアルタイムに経営状況が把握できていなかったけれど、電子化することによってリアルタイムに日々の収支状況を把握する事が可能になったり、昨年度の同時期との経営状況の比較が容易になり戦略を検討する事が可能になったりします。
また、社内の状況を良く理解している経理担当者だからこそできる【危機管理対策】があります。それは、経理業務マニュアルの作成・運用です。
現在、経理を担当している方が、明日も元気に通勤してくれる保証はありません。(もちろん、いつまでも元気に通勤してもらえることが一番なのですが)
実際、当社には「長年経理を任せっきりにしていた経理担当者が、ご家族の病気で退職せざるを得なくなった。明日から経理が回らない。」というお問い合わせが多く寄せられます。
このような状況になった時に、しっかりとしたマニュアルがあれば会社も慌てずに済みますし、経理担当者も退職後に「あれはどうなった?」「これはどうなった?」と電話やメールでの質問攻めに遭うリスクを回避できます。
これまでは、日々の業務に追われて着手できていなかったけれど、「いざと言う時に会社が困らないために、マニュアルは必要だ」という事を理解してもらい、単なる経理人員から、会社全体を見渡す管理者としての経理担当者へのランクアップを目指してください。
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- MARKコンサルタンツは、名古屋市中区に本社を置き、愛知県、岐阜県およびその周辺地域の企業様に経理業務改善のための様々なサービスをご提供しています。経理業務をはじめとする間接業務(Back Office)でお困りの経営者様を「気軽に相談できるパートナー」としてサポートいたします。
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