社長夫人は経理をするな!?

社長夫人の役割とは?

「経営者は孤独だ」とよく言われます。周囲に社員はいても、悩みを相談したり弱音を吐いたりできませんし、最後の決断は社長の仕事です。会社に関するすべての結果は社長の責任です。

特に、会社の方向性を定める上で社長の決断が大きな分岐点となり得る中小企業では、社長の決断に対する責任はより重大なものになります。

そんななかで、社長の最も身近な存在である社長夫人の役割のひとつは、社長と夢を共有し、よき相談相手として夢の実現に向かって力を尽くすことにあると思います。

社長の妻であるからこそ、公私にわたり社長のビジネスパートナーとして、陰になり日なたになり社長を支え、決断を後押しする事ができるのではないでしょうか。

中小企業の場合、社長の妻が経理や総務などの業務に関わっている事は良くありますし、社長夫人が専務取締役のような肩書きを持たれている会社も多いです。

社長夫人が会社の経営に一切タッチしていないケースもありますが、そうだとしても例えば自宅が銀行借入の担保になっていたり、妻が連帯保証人になっていることもあります。ですから会社の業績が悪くなり、倒産といった事態になれば生活自体が崩壊することもあり得るわけで、全く無関心ではいられないでしょう。

また、社長に万一のことがあれば、妻は相続人として資産や負債を引き継ぐだけでなく、事業の継承者としての責任がのしかかってくる可能性がある事は社長夫人である限り自覚しておく必要があるでしょう。

では、社長夫人は会社経営にどのようにかかわり、どのようにその役割を果たすのが良いのでしょうか?今回は、「社長夫人の役割」について考えるきっかけとなった、ある社長と奥様の興味深いエピソードとともに、具体的に社長夫人が果たすべき役割について考えてみたいと思います。

ある社長のセミナーからの気付き

弊社は経理業務支援サービス以外にも様々な事業を行っています。そのひとつに経営者や経営幹部を対象とした「経営塾」があります。

その経営塾の名称は「MARKファミリービジネス研究会」といい、毎年4月から11月まで毎月、独自の経営戦略やユニークな取り組みで実績を上げている実力派経営者を講師に招き、直接話を伺い、その事業に対する姿勢や考え方、発想法などを学びます。

そんなビジネス研究会で講師を務めていただいた浅野撚糸株式会社(岐阜県安八町)の浅野雅己社長による吸水性抜群の魔法のタオル「エアーかおる」誕生秘話は、「社長夫人の役割」について考えさせられるとても印象深いものでした。

社長夫人の一言から生まれたヒット商品

浅野撚糸株式会社より

中国製品のあおりを受け、倒産寸前だった浅野撚糸は、執念とも言えるような試行錯誤の末、吸水性に跳び抜けた「スーパーゼロ」という新しい糸の開発に成功します。そしてこれも経営危機の真っ只中にあった三重県のタオルメーカーと組んで、それまで世の中になかったタオルが出来上がります。

開発の開始から6年が経っていました。

しかし、「エアーかおる」という名前がつけられたこの新製品がいくら品質に優れているからといっても従来品に比べて値段が高く、なかなか売れません。

そこを下請け先と優れた撚糸技術を死守するという「大義」を胸に、粘り強い営業と周囲の人々の協力を得て、2007年の発売時には月に50本しか売れなかった「エアーかおる」が、2014年には単月で10万枚を超えるヒット商品になります。今やどん底の時代と比べ売上は10倍になっています。

地獄の底のような時期にあっても夢を追い続け、這い上がっていくというまさにドラマのような復活ストーリーですが、このヒット劇には社長夫人の存在が大きくかかわってきます。

販売不振が続いていた苦難の時期に、たまたま出張先の東京・築地で奥様と入った寿司屋で、奥様が何気なく発した「おいしい。いつかここに社員や協力工場のみんなを連れてきたい。」という言葉が、浅野社長の奮起のスイッチを押すことになります。

実はこの時期、浅野社長は廃業も考えていたのだそうです。でも、奥様の会社や従業員を想う気持ちに触れ、「もう一度夢の実現に向けて頑張ろう。問屋ではなく、自社製品として名前やロゴマークをつけ自分で売ろう」と決意を固めたと言います。

ポイント

社長の奥様は、夫である社長が経営する会社の事を、社長とは違う視点で見続けていたからこそ、このような一言が自然に出たのではないでしょうか。そして、その一言が社長に新たな気づきを与えたのではないでしょうか。

その後、苦労の甲斐あって大ヒットタオル「エアーかおる」が誕生するわけですが、「エアーかおる」のロゴマークは寿司屋で見た奥様の横顔がモデルになりました。浅野撚糸の復活劇は夫婦ふたりによる復活劇でもあったのです。

社長夫人は何をするべきか?

さて、実際に社長夫人が会社の経営に携わっている場合、社長夫人は社長のビジネスパートナーという立場になります。

その社長夫人の最も大事な仕事は、社長の経営判断のサポートをすることです。業務によってサポートの仕方はそれぞれですが、社長夫人が経理の責任者となっている会社は多くあります。

中小企業の場合、社長自身が日々の経理業務を兼務しており、決算業務は会計事務所や税理士に任せきりにしていることが少なからずあります。そして、このような企業において、社長が抱えきれなくなった経理業務の担当者として社長夫人が任命されるというのは良くある選択のひとつと言えるでしょう。

言うまでもなく日々のお金の動きや取引を記録する業務は会社経営に欠かす事のできない重要な仕事ですが、だからといって経理業務に特段のスキルがある場合を除き、社長夫人がその業務を行う必然性はあるのでしょうか?

上述したように、社長夫人は社長のビジネスパートナーである、と考えると社長夫人が身につけるべきスキルは、日々の細かい数字を正確に記録する経理業務ではなく、もっと広い観点から長期的に経営状況を見て、社長の良きアドバイザーに徹する事が求められるのではないか思います。

そのためには、社長夫人は経理業務を正確にこなす事に忙殺されるのではなく、経理業務全体を見渡す役割を果たすために経理全般への知識を身につけ、財務分析など日々のお金の流れや決算書を読み解くスキルを身につけ、高めていくべきなのではないでしょうか。

社長夫人がビジネスパートナーとして会社の財務状況や決算状況を理解し、社長が経営判断を下すのに必要な資料をつくってサポートすることができればすばらしいことだと思います。さらに資金調達や業績管理の分野でも社長に助言する事も可能でしょう。

ポイント

経理業務をその業務に長けた従業員に任せることは効率的で合理的です。けれども、その従業員が心から会社の事を想った適切なアドバイスを与えてくれるかどうかは疑問ですし、またそうした数値化できない価値を持つアドバイザーを外部で見つける事は容易ではありません。その業務こそが、社長夫人が担うべき業務なのではないでしょうか。

プロによる現状分析で、社長夫人の業務を見直してみませんか?

とは言え、「現状をどのように改善すれば良いのか分からない」「日々の業務をこなす事で精一杯で、他の事を考える余裕はない」「社長としてはコスト削減のために妻に経理業務を任せている」など、様々なご意見があるかと思います。

そんな社長夫人の皆様に、会社の経理部門全体の流れを把握し改善に導くための第一歩として、まずはMARKコンサルタンツの【経理業務の診断とアドバイス】をご活用いただく事をお勧めします。税理士、社会保険労務士、中小企業診断士ほか経理業務の専門家が丁寧なヒアリングに基づき御社に最適な経理業務改善プランを作成し、ご提案致します。

現状の経営状態や業績を正しく把握し、経理業務の自動化や効率化による適切なコスト削減を実現する事から始めてみてはいかがでしょうか。

そうして空いた時間や予算を、より経営に直接的に好影響を与えるような業務に充てて社長のビジネスパートナーとして会社経営に貢献する道を一緒に目指しませんか。

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