経理の「エビデンス」とは

新型コロナとエビデンス

コロナ禍にあって、よく耳にするようになった言葉に「エビデンス」があります。

エビデンスとは、科学的根拠のことです。

ファイザー社のワクチンの有効性は95%という情報は、ワクチンを接種した人は、接種しなかった人(ブラセポと言われる偽薬を接種した人)に対して発症が95%抑えられたというエビデンスがあってのものです。

一方でコロナに関するデマもネットを中心に流れているようです。ワクチン関連で多かったのが「ワクチンが不妊につながる」という内容です。これに対し厚生労働省は「科学的根拠はない」と否定しています。

「コロナはただの風邪。世界の資本家が各国の政府を操り、でっち上げている。」「ワクチンで人間にマイクロチップを埋め込むのが目的だ。」などという陰謀説もあるようです。もちろんエビデンスが存在しない話です。

こんな荒唐無稽な話を誰が信じるのかとも思いますが、そう信じ込んでいる人も少なからずいるようで、政府などが科学的に正しい情報を発信するだけでは広がりを防ぐのは難しいようです。


コラムニストの辛酸なめ子氏は著書『 新・人間関係のルール』の中で、

「同級生の甥が、修士号を取得して卒業し、深圳(しんせん)病院で働いていて、そのあと武漢に転勤になりました。彼からの情報です。」

「友人の友人が幼稚園のママ友に政治家と太い関係の人がいて…。」

といったあやしさがにじみ出ているようなLINEがいくつか回ってきたとして、デマ情報は、友人との関係を疎遠にしかねないと釘をさしています。

しかし、エビデンスがあれば、すべて正しいかというと、そうとも限りません。

松村むつみ著『「エビデンス」の落とし穴』(青春出版社)によると、「エビデンス」は絶対的真実ではありません。ひとくちに「エビデンスあり」といってもエビデンスにはさまざまなランクがあり、6つに分けられるようです。

医療情報で言うと、医学専門誌に掲載されるような専門家の意見であっても、具体的なデータに基づかない個人的な意見は最も信頼性の低いレベル6。

レベル5は「症例事例」で、レベル2は「ランダム化比較試験」。

ちなみに、先ほど述べた「ファイザー社のワクチンの有効性が95%」という結果は、レベル2の「ランダム化比較試験」の中でもさらに信頼性の高い「二重盲検法」という方法で行われたものになるらしい。

そして信頼性が最も高いレベル1は、「システマティックレビュー」「メタアナリシス」(複数の研究を統合して、結果を出したもの)になります。

ちょっと意外ですが、メディアでしばしば報じられる「動物実験で〇〇の効果が確認された」といったものにいたっては、レベル6よりもっと低い「エビデンスの欄外扱い」ということです。動物実験で効果が出ても、その後ヒトを対象とした研究で証明できなかったことは山ほどあり、動物実験の結果だけでは信頼性は低いと言わざるを得ません。

詳しくは前掲の本を参照ください。

経理に関するエビデンス

さて、話は変わって経理についてです。経理の仕事のエビデンスで思い浮かぶのは決算書です。金融機関との融資の話で前提となるのが決算書です。決算書は金融機関が融資の可否を決める最も重要なエビデンスとなります。

金融機関は何を見て融資を決める?

融資の判断基準となるのが「格付」です。格付は企業の信用度をランク付けするいわば通知表です。ランクが高いほど借入れはしやすく、金利なども有利になります。格付は決算書などの定量情報と経営者の経歴などの定性情報を合わせて最終的には決まりますが、定量情報のウエイトの方がはるかに大きいです。

では、具体的にどのような方法で金融機関は格付を行っているのでしょうか?

実は、ほとんどの金融機関で格付作業は格付診断システムによって定型化されています。

格付診断システム

中小企業が金融機関から融資を受ける際に、その債務を保証することで、中小企業の資金繰りの円滑化を図るための信用保証協会という機関があります。全国にはすべての都道府県と他に4つの市を合わせて51あります。

弊社の地元である愛知県信用保証協会のホームページの中にこんな記述があります。

保証料率について

保証料率は、お客様の財務状況に応じ、9段階に区分された弾力料率体系が適用されます。
区分は、中小企業信用リスク情報データベース(CRD)によりお客様の決算内容を評価し、一定の定性要因(非財務要因)を加味して、決定されます。


愛知県信用保証協会ホームページ より引用

上記の、中小企業信用リスク情報データベース(CRD)が、格付診断システムのことです。格付診断システムはCRD以外にもありますが、(一社)CRD協会によると現在、信用保証協会は51団体すべて、政府系金融機関は4団体、民間金融機関は96団体がこのシステムを利用しています。CRDは中小企業に関する最大のデータベース機関で、1995年決算以降では法人だけで278万社、決算書の数では2,403万以上のデータの蓄積があります。また、3か月以上延滞、破綻先などのデフォルト情報も集められています。

あなたの会社が金融機関に提出した決算書もこのCRDのデータに含まれている可能性は高いと言えます。ただし、企業名は全て暗号化され、個別企業名の特定はできない仕組みとなっています。

格付までの流れ

債務者区分と呼ばれる「正常先」や「要注意先」という用語を聞いたことがあるでしょうか。格付基準は非公開ですが、一般的に6つの債務者区分に分けられ、全部で10段階くらいの格付に振り分けられるようです。

こうして決められる格付ですが、金融機関の担当者に「うちの会社の格付は何?」と尋ねても、決して教えてくれず、はっきりしません。

MARKコンサルタンツの経営診断

CRDモデルは格付に用いる診断システムのうちのひとつですが、MARKコンサルタンツでは、企業の決算書をこのCRDモデルで評価し、その企業の信用力を診断するサービスを行っています。

ここではCRDビジネスサポートサポート(株)のMcSS(中小企業経営診断システム)を利用します。(CRD及びMcSSは一般財団法人CRD協会の保有する登録商標です)

McSSでは、法人は貸借対照表、損益計算書などから、個人事業主は青色申告決算書から数十項目の財務データを算出し、偏差値によりA~Eの5つのランクに区分します。

例えば、Aランクは偏差値58以上の企業です。財務内容は「優良」で、信用力は相当高いです。以下、Bランク(51~57)は「良好」、Cランク43~50は「普通」、Dランク37~42が「注意」。そしてデフォルト企業の平均偏差値である36以下はEランク「要改善」となり、原則Eランクでの借り入れは難しいと言えます。

長年蓄積された膨大な財務データによる経営診断システムとは、要するにビッグデータに基づく統計学的に信頼性の高い判定基準であり、ここから導出される経営診断は極めて信頼性の高い「エビデンス」と考えてよいものです。

従って、少なくともCランク以上と診断された企業であれば、財務面に関してはそれ相応の自信をもって銀行交渉に臨めるということになります。

但し、偏差値40の受験生が偏差値70の東大に合格するのが極めて難しいのと同様、金融機関側からは偏差値の低い企業ほど借入金の延滞や倒産などデフォルトする確率は間違いなく高いと見做され、銀行交渉の場面で苦戦を強いられるのは致し方ありません。

成長戦略を立てるには、まず己をよく知ること。MARKコンサルタンツは経営診断という信頼性の高いエビデンスであなたの会社を分析、応援します。

難関校を目指す受験生同様、偏差値が低い会社は、ランクアップを図るための対策を講じなければなりません。MARKコンサルタンツの経理業務支援サービスではそのための改善策のアドバイスもいたします。

エビデンスをもとに、信用力向上のための戦略を練ってみませんか。

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