スキルとセンス(前編)

仕事ができる」とはどういうことか?

「仕事ができる人はなぜ希少なのか。(中略)世の中に流暢な英語を話せる人はたくさんいます。プログラミングができる人もたくさんいます。会計やファイナンスの知識を持ち、統計分析ソフトを使いこなして高度な財務分析ができる人も少なくありません。しかし、こういうのは仕事全体をいくつかの機能に分解したところに出てくる「スキル」です。ここで言う「仕事ができる」は「スキルがある」とは似て非なるものです。

(中略)

「成果を出せる」。これが「仕事ができる」ということです。広い意味でのお客の立場で「頼りになる」「安心して任せられる」「この人ならなんとかしてくれる」。もっと言えば「この人じゃないとダメだ」-そう思わせる人が僕の言う「仕事ができる人」です。 

この意味での仕事能力は、「あれができる・これができる」というスキルを超えています。それを総称して「センス」と呼んでいます。」

楠木建・山口周著『「仕事ができる」とはどういうことか?』宝島社新書より

センスの大切さ

優秀さを語る上で、センスの大切さについては多くの人が感じているのではないでしょうか。

筆者は高校時代いわゆる文系で数学が苦手だったのですが、いくら頑張って公式を覚えて解き方を覚えたつもりでいても、試験になると数学の得意な理系の人に敵わず、数学のセンスの差を感じたという記憶があります。また社会に出ても、例えば営業職で常に成果を上げているスーパーセールスマンと呼ばれるような人は、他の営業マンが真似しようにも真似できない何か(=センス)を持っているように思います。

さて、経理という職種を考えると、センスの前に専門的な特有の知識が不可欠で、まず高度なスキルが求められる職種であることに間違いありません。

経理に必要なスキル

経理に必要なスキルといえば、まずは簿記でしょう。簿記とは、企業などが所有・管理する財産の変動を記録・計算することでどんな企業にも必要な知識であり、スキルです。

簿記の資格もいろいろありますが、代表的なものが日本商工会議所の日商簿記試験で難易度の高い順に1級、2級、3級、初級まであります。

簿記の資格が活かせる仕事としては、経理や財務などの事務職、会計事務所や税理士事務所の補助、金融業などがあげられます。

ただ、実務に活かせるレベルということでは、2級以上が望ましいとされます。求人サイトを見ても、「簿記2級以上は歓迎」とか「必要資格は簿記2級以上」を謳っている求人が目につきます。そのため3級を取得している場合、経理などで実務経験を積みながら2級以上を取得し、キャリアアップを目指すというケースもあります。

また、たとえ営業職であっても業務の中で予算やコストの管理を行うことはあり、簿記の知識があることで経営の視点からの営業活動というものが可能になります。

簿記に限らずスキルを身に着ける方法は、例えば社会人でも通信講座や各種団体が主催する実務研修や専門学校などたくさんの手段があります。業務に必要なスキルを身に着けることは、仕事の一部と位置づけ、社員を指名して研修に参加させたり、自己啓発を奨励しその費用の全部または一部を負担する制度のある企業は多くあります。仕事をするには実務のスキルが不可欠です。

経理人材を取り巻く環境

しかし、そうは言うものの中小企業の場合、自社で経理人材を一から育てるとなると簡単なことではありません。そこで例えば、社員の退職や業務の拡大で経理部門の人材が不足したけれども、社内ですぐにそれにとって代われるような人材がおらず、仕方なく相応のスキルを持った人材を採用したいと考えても、採用に苦労するという話はよく聞きます。

即戦力を採用するとなると、専門的な知識やある程度の実務経験が欲しいと考えますが、そういうキャリアを持つ人はなかなか見つからず、人材不足は解消できないということになります。しかし、人が足りなくても、事務量が減るわけではなく、今の担当者の負担が増すことになります。過度の負担は経理担当者の流出にもつながりかねません。

求人会社のMS-JAPANのレポートによると、経理・財務部門の求職者(転職希望者)の約半数が40代以上とのことです。また、求職者の現在の勤務先の業種は、製造業から流通小売り、建築業など多様であり、同じ業種間での採用となると対象が限定されるようです。(株式会社MS-Japan 管理部門登録者レポート・2021年7月~9月より)

40代は、経理職としてのさまざまな経験も積み、社会人として働き盛りの年代で、自分の培ってきたスキルを別の会社で発揮したいと考える人が多くいるということでしょう。 

しかし、採用側にすれば給与面は若手人材よりも高いわけで、コロナ禍によって業績が悪化し、その回復に時間がかかると考える企業にとって経理のような管理部門での採用は、高いスキルを持つ人材を採用したくても慎重にならざるを得ないということもあるのかもしれません。

また、バブル崩壊以降の長い景気低迷が続く中、経理などの間接部門は縮小、削減される傾向であったこと。さらにAIやITの発達で、経理や会計といった分野の仕事は将来的になくなるのではないか、と考える人が増え、そもそも経理という仕事を敬遠する人が増えていることも、慢性的に経理人材が不足する原因かもしれません。

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